講座 作業療法に必要なリスクマネジメントとフィジカルアセスメント・第3回
運動器疾患に対するリスク管理②―脊髄疾患を中心に
玉垣 努
1
Tsutomu Tamagaki
1
1神奈川県立保健福祉大学
pp.491-496
発行日 2014年6月15日
Published Date 2014/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100514
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Key Questions
Q1.脊髄疾患の基本的なリスクマネジメントとは?
Q2.脊髄疾患の急性期の注意点は?
Q3.脊髄疾患の回復期の注意点は?
はじめに
整形外科疾患と中枢神経系疾患とも考えられるのが,脊髄疾患であろう.つまり大学病院はもちろん,一般の回復期リハ病院にも,中心疾患ではないが存在している.通常まれにしか診ない疾患についての経験は乏しく,専門病院にとってはあたり前であることが,一般病院ではあたり前でない場合もある.
これらのことも踏まえて,本稿ではより臨床的で,具体的なリスク管理を提示していきたい.むち打ち症から脊髄損傷まで,脊髄疾患は幅広いので,一般論的になっても臨床に役立つリスク管理を唱えることはできない.今回は,OTが急性期から回復期まである程度積極的にかかわり,身体接触の多い疾患を提示していくこととする.具体的には外傷性脊髄損傷の他,脊髄血管障害や腫瘍や炎症等の内因性の脊髄損傷,後縦靱帯骨化症(OPLL),脊柱間狭窄症が背景にある脊髄疾患を対象に,リスク管理を考えていく.背景にある合併症や二次的障害や考えられる予後までも含めて,できるだけ言及したい.
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