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年度が替わり,私が勤務する大学も新入学生を迎えました(毎度発刊の時期とずれていて申しわけありません).今年も40数名がOTを目指して入学してきました.本学は作業療法学専攻が設置されて2年目を迎え,今は,2000年(平成12年)に開校した専門学校と併存している状況です.具体的に言うと,1,2年次生は大学生,3,4年次生は専門学校生ということになります.私が非常勤講師を経て常勤の教員として着任してからは,丸12年になり,13年目を迎えました.着任してすぐのころは,ただただ熱意だけで学生に向き合い,今さらながら思い出すと本来教授しなければいけないことの1/3程度しか伝えられなかったのではないかと,当時の学生たちには申しわけなさでいっぱいです.でも何とか12年間,学生と向き合いながら,学生たちに育てられて,教員としての姿勢や役割を学んで今に至っています.
中には最初から高い志をもって「絶対OTになりたいんです!」と入学してくる学生もいれば,「親に(周囲に)勧められたからなんとなく……」といった意志の希薄な学生まで多様です.こういう後者のような学生は,入学してまもなく,特にGWが終わったころから自分の将来は違うところにあったのではないかと悩みはじめます.そこで,できるかぎり早いうちに,教員にそういった不安や悩みを言える環境をつくっておく,ここから新入学生に対する支援は始まります.そして,解剖学や生理学をはじめとする知識の習得や評価技術に対する学習支援,対人交流技能や社会生活技能に対する支援,学生生活におけるさまざまな状況に対する精神的支援……支援の必要な学生は必ず毎年いますが,前回お話しした発達障害をもつ末子をきっかけに学んでいった知識やそのアプローチは,今の私の教員生活において糧になっていると言っても過言ではありません.
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