Japanese
English
症例報告
3年間の振動刺激治療がもたらした慢性期胎児性水俣病患者のADL能力の向上
A case of chronic fetal-type Minamata disease whose ADL were improved by vibration therapy for three years
遠山 さつき
1
,
臼杵 扶佐子
1
Satsuki TOHYAMA
1
,
Fusako USUKI
1
1環境省国立水俣病総合研究センター
キーワード:
振動刺激
,
痙縮
,
ADL
Keyword:
振動刺激
,
痙縮
,
ADL
pp.1185-1189
発行日 2013年9月15日
Published Date 2013/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100281
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Abstract:50代の慢性期胎児性水俣病患者に対して行った3年間にわたる振動刺激治療がもたらしたADL能力の向上について報告した.症例は,右足底痛と下肢の痙縮が強く,下肢に対するリハが困難で,移乗や立位動作に支障をきたし,ADL能力の低下を認めていた.3年間の振動刺激治療は,足底痛のみでなく痙縮も改善させ,移乗や立位動作の改善とともに症例のADL能力を向上させた.その結果,家族の介護負担の軽減と,症例,家族双方のQOLの向上がもたらされた.疼痛や痙縮は,神経疾患患者の運動機能を低下させるだけでなく,ADL能力を低下させる大きな要因である.本症例で用いた振動刺激治療は,家庭でも実施可能な簡便な方法で,疼痛,痙縮の緩和に有用であった.慢性期の神経疾患患者に対しても,機能障害に対する有用なリハアプローチを見いだし,継続して実施することで,ADL能力の向上とQOLの維持が可能となる.
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