Japanese
English
症例報告
頸髄症症例に対する前腕部振動刺激による握力の変化:シングルケースデザインによる検討
The alteration of grip strength after vibration excitement on forearm in patients with cervical myelopathy:a single subject design.
北出 一平
1,2
,
水上 保孝
1
,
嶋田 誠一郎
1
,
佐々木 伸一
1
,
久保田 雅史
1
,
亀井 健太
1
,
小林 茂
1,3
,
馬場 久敏
1,4
Kitade Ippei
1,2
1福井大学医学部附属病院リハビリテーション部
2金沢大学大学院医学系研究科
3福井大学医学部附属病院リハビリテーション科
4福井大学医学部器官制御医学講座整形外科学領域
キーワード:
頸髄症
,
振動刺激
,
握力
Keyword:
頸髄症
,
振動刺激
,
握力
pp.937-941
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101515
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:神経障害を呈し,握力の低下した頸髄症患者の前腕部に対して,振動刺激を与えることで握力が変化するか否かについて,シングルケースデザイン(AB型,ABA'型)を用いて検討した.症例1(58歳,男性),症例2(72歳,男性)に対し,振動刺激と手指屈伸運動を1週ごとに交互に施行した.振動刺激は,上腕骨内側上顆上を除外した前腕腹側部に10分/日行った.手指屈伸運動は,個々の可能な限りの屈伸運動を,快適速度にて100回/日施行した.握力測定は,各介入直前に,座位にて,上肢を自然に下げた状態で行った.分析はceleration line(CL)とtrend and slope法を用いた.各症例ともに,振動刺激時のslopeは屈伸運動時より高値を示し,増加を認めた.屈伸運動時では振動刺激時のCLより低値を示した.振動刺激は頸髄症患者の握力増強効果をもたらす治療方法である可能性が示唆された.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.