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特集 痴呆の臨床と鑑別
痴呆の量的測定への提言
On the Quantitative Measurement of Organic Dementia
石井 毅
1,2
Tsuyoshi Ishii
1,2
1都立松沢病院
2都立精神医学総合研究所
1Matsuzawa Hospital
2Psychiatric Research Institute of Tokyo
pp.367-373
発行日 1973年4月15日
Published Date 1973/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202006
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I.まえがき
有吉佐和子の“恍惚の人”がベストセラーとなり,話題を呼んでいる。これはこれからの社会にとって老人の問題がいかに重要であるかの一つの象徴的出来事ともいえよう。老人の“恍惚”は今や社会問題となったのである。
老人問題とは別に,科学技術の進歩と急速な経済成長は人の健康に重大な影響を及ぼしている。それはかつてない規模で,健康を蝕む物質を排出し,それにより新しい病気を生み出しているのである。注目すべきは,このような疾患には中枢神経を侵されるものが比較的多いことであり,水俣病,CO中毒などに典型的に表現されている。中枢神経障害は必然的に精神障害,なかんずく痴呆患者の増加を招来せずにはおかない。
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