海外事情
地域に根ざしたリハビリテーションに向けての住民への働きかけ―エルサルバドル共和国での青年海外協力隊活動
坂田 香奈恵
1
1山梨リハビリテーション病院
pp.342-343
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100092
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はじめに
2009年(平成21年)6月から2年間,国際協力機構(JICA)青年海外協力隊として中米のエルサルバドル共和国(以下,エルサルバドル)へ派遣されることになった.エルサルバドルは四国ほどの小さな国だが,人口は600万人と中米で1番人口密度が高い.国民はラテン文化の陽気な雰囲気だが,1980年(昭和55年)から12年間続いた内戦で約4万人が障がいを負い,今も国民の心に傷を残しているといわれている.
エルサルバドルでは,2000年(平成12年)に「障がい者の機会均等化法」が制定されたものの,実際は社会参加の機会はほとんどないのが現状である.国内の医療施設は公立と私立に分けられ,公立はすべて無料で診療やリハを受けることができるが,地域格差があり,地方の障がい者がリハを受けることは難しい.また,リハ=マッサージという認識が強く,社会参加どころかADLに対しての取り組みすらほとんどみられなかった.
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