--------------------
編集後記
北島 政樹
pp.224
発行日 2006年4月15日
Published Date 2006/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900693
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
各学会が専門医制度の確立をめざし,それぞれの教育カリキュラム,専門医試験を施行しているが,学会により専門医取得の難易度に大きな格差があることは周知の事実である,このような実情では国民からみて,専門医とは何なのか疑問をもたれてもしょうがない.
この専門医制度の不信感を強めたのが,がん専門医制度である.18の診療科を含んだ横断的な学会とがん薬物療法専門医を標榜する学会が同時にがん専門医制度の確立をめざしたため,国民あるいは患者団体に不安と不満を与えた.前者の学会は外科系医師の会員が多く,後者は内科系医師が中心で構成されている.従来,抗癌剤治療は外科手術と連携して行われてきた歴史があり,特に現在ほど抗癌剤の効果が高くないため,内科系医師の貢献はそれほど大きくなかった.しかし,近年,分子標的治療などが開発され,また多剤併用や放射線併用により,手術不可能とされた癌が手術をしてみると病理組織学的に癌細胞陰性という症例の報告もある.
Copyright © 2006, JAPAN SOCIETY FOR ENDOSCOPIC SURGERY All rights reserved.