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編集後記
北島 政樹
pp.798
発行日 2008年12月15日
Published Date 2008/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426100253
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昨年までは国際的に種々の分野でグローバルスタンダードを求めて,政治,経済および科学が活気を呈していたことは記憶に新しい.しかし,北京のオリンピックが終わると金メダル獲得に沸いた本邦と欧米において,リーマンブラザーズの倒産が引き金になり,ドミノ式連鎖反応で世界中が恐慌状態を呈するようになった.中国の経済成長にブレーキがかかり,金融危機によるエリザベス女王の66億円の損出などが紙面を賑わせたが,この影響で北京の国際消化器外科学会が急遽中止となった.前代未聞の出来事である.
このような社会の混乱の中で,最も身近なところで医療制度崩壊が叫ばれ,メディアは煽るばかりで一向に改善の兆しがない.M厚生労働大臣の孤軍奮闘振りは理解できるが,笛吹けど人動かず,国民の不安は募るばかりである.先日も脳血管障害を伴った妊婦の“盥回し”と病院の対応のまずさを非難するニュースばかりで,医療者に対する風当たりが強い.
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