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編集後記
北島 政樹
pp.200
発行日 2003年4月15日
Published Date 2003/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900405
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1975年から2年間,ボストンのMassachusetts Genenal Hospital(MGH)に留学し,ストレス潰瘍の研究に従事する機会があった.研究室のあるビルのカンファレンスルームでは定期的に,かの有名なThe New England Journal of Medicine(NEJM)のCPC(症例検討会)が行われていた.医学部の学生時代から時々この欄は読んでいたので,実際にその場に参加したときは,これが現実なのかと感激したことを今も鮮明に記憶している.先日,ある雑誌の編集委員会とMGH外科との共同研究のため,再びボストンを訪ねることになった.現在,MGHには3人の教室員が留学しているが,そのうちの1人がe-mailで,先方の研究指導者が,われわれの外科学研究室と分子生物学教室との共同研究を希望している旨を連絡してきた.すなわち,Fulminant Hepatic Injuriesに対するアデノビールスを使った遺伝子治療である.各分野の専門家が集まり,最新の機器が整備されているカンファレンスルームで突っ込んだ議論が行われていたが,その研究体制などに無駄のないことを知り,26年前の自分の留学時と比較して米国での医学の進歩の早さに驚かされた.
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