内視鏡外科手術に必要な解剖と術野の展開・21
胆道
柿田 徹也
1
,
徳村 弘実
1
1東北労災病院外科
pp.415-419
発行日 2004年8月15日
Published Date 2004/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900522
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はじめに
腹腔鏡下胆嚢摘出術(以下,LC)は1990年に本邦で始められて以来1),その低侵襲性と美容性から急速に普及し良性胆嚢疾患に対する第1選択となった.そして腹腔鏡下手術のベーシックと位置づけられている.しかしLCは手術困難例や合併症が少なくないなどの臨床的問題点も同時に抱え持っている.
腹腔鏡下手術の特性として,腹腔鏡画面は二次元で,通常の開腹手術と比較して物体間の距離認識が困難であること,触覚の情報が乏しいために解剖の確認は視覚情報に頼るしかないこと,術野が狭いこと,一視点からの画像で死角が多いこと,遠近感の欠如など弱点が多いこと.これらの欠点を補い安全な手術を遂行するためには解剖の熟知が何より大事である.また,手術展開の良・悪は,解剖の同定と確認にとどまらず,手術の流れおよび手術時間に重大な影響を及ぼす.ここでは胆嚢,Calot三角,胆嚢管,胆嚢動脈および総胆管の解剖と展開の重要な点を述べたい.
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