内視鏡外科手術に必要な解剖と術野の展開・19
乳腺
北村 薫
1
,
定永 倫明
2
,
古山 正
2
,
長谷川 博文
2
,
住吉 康平
2
,
斉藤 元吉
2
,
北村 昌之
2
,
杉町 圭蔵
3
1九州中央病院乳腺外科
2九州中央病院外科
3九州中央病院
pp.213-218
発行日 2004年4月15日
Published Date 2004/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900491
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はじめに
乳腺内視鏡手術は1990年代後半から報告されており1,2),わが国でも徐々に臨床応用例が増加してきた.その目的は,胸腹部内視鏡下手術において追求される手術侵襲の軽減というより,むしろ,従来術式の根治性を維持しつつ整容性をいかに向上し得るかという特殊なものであり,各施設で様々な工夫がなされてはいるが,アプローチや使用機器の多様性をみてもいまだに標準術式となるものはないのが現状である.とは言え,どの方法にも共通するべきは,術者が十分な解剖の知識と技術を持ったうえで,ステップアップの一環として内視鏡下手術に臨むことである.
本稿では,総論として乳房の一般的な解剖について述べるとともに,内視鏡下での操作を安全かつ容易にし,内視鏡を用いることのメリットを最大限に活用するうえで重要となってくる解剖とコツについて解説する.
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