内視鏡外科手術に必要な解剖と術野の展開・18
膵臓
白部 多可史
1
,
清水 芳政
1
,
今井 達郎
1
,
北島 政樹
2
1多摩丘陵病院外科
2慶應義塾大学医学部外科
pp.544-547
発行日 2003年12月15日
Published Date 2003/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900462
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はじめに
腹腔鏡下手術はその低侵襲性が評価され,適応範囲も次第に拡大されつつある.膵臓外科領域においても,膵部分切除術,膵体尾部切除術にとどまらず,腹腔鏡補助下ではあるが膵頭十二指腸切除術の報告さえも認められるようになってきた1-3).しかし,その対象は良性疾患および低悪性度の嚢胞性腫瘍に限られており,リンパ節郭清を必要とするような悪性疾患は対象とされていないのが現状である.われわれは過去に膵臓癌に対してリンパ節郭清を伴った膵体尾部脾臓切除術を報告したが4),今後はこのような膵臓癌に対する根治的な膵切除術も腹腔鏡下手術の対象となっていくものと思われる.
本稿では,膵癌取扱い規約(第5版)5)における2群リンパ節郭清を伴う腹腔鏡下膵体尾部脾臓切除術に必要な解剖と術野の展開について,その要点を概説する.
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