特集 内視鏡外科手術における技術認定
小児外科領域における技術認定の在り方—現状分析と今後の展望
森川 康英
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1慶應義塾大学医学部外科
キーワード:
小児外科
,
技術認定制度
Keyword:
小児外科
,
技術認定制度
pp.126-129
発行日 2003年4月15日
Published Date 2003/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900393
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はじめに
日本内視鏡外科学会における技術認定制度の制定に関して,小児外科領域からはこれまで宮野武教授(順天堂大学)と筆者が参画してきた.そして,現在までの技術認定制度委員会の議論を通じて,各分野における内視鏡外科手術における術者としての一定の高い技術水準とは何かにつき,一定の基準が提案されることとなった.この技術認定制度規則(案)1)にはその対象とする分野として小児外科も掲げられているが,具体的な基準についてはいまだ提案されるには至っていない.
内視鏡外科手術の分野においては,専門性はますます進行し,開始当初のパイオニア的なリーダーを含めて多くの医師がそれぞれの専門分野に分かれている.その傾向は特に大学などの医育機関に強い.1人の内視鏡外科医は特定の手技を専門として行い,その経験は蓄積されるが,ほかの手技についての経験は少なくなっているという実情がある.すなわち,内視鏡外科手術というmodalityによって広い範囲の疾患を対象として手術を行う専門医ではなく,臓器別,疾患別の専門性が内視鏡外科にそのまま持ち込まれているのである.小児外科領域ではこれに比べて臓器専門性は少なく,新生児を含む小児全般を対象として内視鏡外科的手技を行う小児外科医がこの制度の対象となる.いきおい対象となる疾患は多岐にわたり,それぞれの疾患の症例数の数は少なくなるという傾向が強い.
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