特集 小児外科における消化器内視鏡外科手術
小児消化器内視鏡外科手術の現状と展望
漆原 直人
1
,
福本 弘二
1
,
矢本 真也
1
,
三宅 啓
1
1静岡県立こども病院小児外科
キーワード:
小児外科
,
内視鏡外科手術
Keyword:
小児外科
,
内視鏡外科手術
pp.815-818
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000701
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近年の内視鏡外科手術の発展は目覚ましく,映像システムや細径器具の発展に伴い,小児外科領域においてもその適応がますます拡大されている。鼠径ヘルニア,横隔膜ヘルニア,虫垂炎,胃食道逆流症,肥厚性幽門狭窄,ヒルシュスプルング病,高位鎖肛といった多くの代表的小児外科疾患に内視鏡外科手術が導入されている。さらに2016年度の診療報酬改定によって難度の高い胸腔鏡下先天性食道閉鎖症根治手術,腹腔鏡下総胆管拡張症手術が新たに保険収載された。小児では成長・発達を考慮した術式が必要で,従来は大きな切開で開胸・開腹手術が行われていた疾患に対し,内視鏡外科手術は,小さなポート創のみとなり,低侵襲で整容面に優れるだけでなく,骨格の変形がないなど機能面でもメリットが大きい。一方,小児外科で扱う患者は,体重2~3 kgの新生児から体格的には成人と同じ年長児あるいは高度の側彎などがある重症心身障害児までを対象としており,体型に合わせたさまざまな工夫が必要である。
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