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腹腔鏡下手術は胆嚢切除術に始まり,今ではadvanced laparoscopic surgeryとして大腸癌に対しても行われるようになってきた.われわれは現在までに244例の大腸癌に対して腹腔鏡下手術を行い,cur A症例では5年生存率91.1%という成績を収めてきた.また,近年は高齢化社会を迎え,腹腔鏡下手術を受ける機会も増加してきた.そこで今回,患者へのアンケートを行い,腹腔鏡下大腸癌手術に対する患者側からの評価について検討を行った.1994年4月から2002年4月までの大腸癌に対する腹腔鏡下大腸切除術施行症例のうち,cur A無再発症例84例に対して術後アンケート調査を行い,回答の得られた77例を,70歳未満(A群),70歳以上(B群)に分けて検討を行った.アンケートの結果,B群で術式に対する理解度が低下していた以外,そのほかでは有意差は認められなかった.術後合併症の存在した症例を含む87%の患者が,再度の手術を受けるなら腹腔鏡下手術を,また,78%の患者が腹腔鏡下手術を人に薦めると答えた.これらの術後合併症を伴った患者の多くが術後の治療に積極的で,前向きの評価を行っていた.われわれはこの新しいアプローチ方法を取り入れた腹腔鏡下大腸癌手術が,患者側へも広く受け入れられていると考えている.患者,医療従事者とのよりよい信頼関係を築き上げたうえで,今後,術式の安定化,さらなる治療成績の向上を図りたい.
In the National Sakura Hospital, laparoscopic colectomy was performed for 244 patients with colorectal cancer from 1993 to 2002. The 5 years survival rate was 91.1% in the patients with pathological curability A. In this study, an evaluation of the laparoscopic colectomy was conducted based on a questionnaire survey for those pa-tients.
We sent questionnaire forms to 84 curability A patients who underwent laparoscopic colectomy in the hospital from April of 1993 to April of 2002.
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