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編集後記
東原 英二
pp.700
発行日 2002年12月15日
Published Date 2002/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900371
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本号の特集は,「泌尿器科悪性腫瘍の腹腔鏡下手術」である.悪性疾患に対する腹腔鏡下手術に求められることは,悪性腫瘍に対する治療効果が開腹手術よりもよいか,同じであることである.治療効果を測定するには,非再発生存率,疾患特異的生存率などが基本である.また,機能が問われる手術では,術後機能が測定・比較されなければならない.腹腔鏡下手術のこのような指標が,開腹手術と比べて優れているか,もしくは同等であってはじめて侵襲性が比較の対象となる.悪性腫瘍に対する手術目的に関連した指標を比較することが必要になってきたこと自体,腹腔鏡下手術が進歩してきた結果であると言える.指標を出すのには年月がかかるが,腹腔鏡下手術を行うわれわれの義務でもある.
日本内視鏡外科学会では関連学会と足並みをそろえて,技術認定制度を発足させようと準備を行っている.腹腔鏡下手術に関する技術認定を,科の領域を越えて認定しようとする試みは,腹腔鏡下手術に関連した事故を少なくし,患者さんが安心して手術を受けられる環境整備に役立つと思える.成立までには関連学会との調整がまだ必要な段階ではあるが,社会に対する学会の役割を果たすうえで重要であると思える.
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