特集 HALS:Hand-assisted Laparoscopic Surgery
〔エディトリアル〕特集によせて
出月 康夫
1
1埼玉医科大学総合医療センター外科
pp.203
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900028
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- 文献概要
Hand-assisted laparoscopic surgery(HALS)では,トロッカー孔だけを使って行う腹腔鏡下手術では困難な,より複雑な手術操作を必要とする手術を実施することができる.腹壁においた小切開孔から術者の片手(通常は左手)を腹腔内に入れて従来の開腹手術のときと同じように臓器を直接手で触れて手術操作を行い,もう一方の手(通常は右手)は腹壁外においてトロッカーから挿入する手術器械を体外で操作して,腹腔鏡の視野の下に行う手術方法である.
簡単にいうと,“左手は従来の開腹手術と同じように使い,右手では腹腔鏡下手術の操作を行う”のである.腹腔鏡で映し出される2次元の視野の下で行う手術法であることに変わりはないが,手指による触覚が得られ,片手だけであるがそれを駆使して複雑また多岐にわたる手術操作が可能になる.片手を挿入する腹壁の小切開孔は術者の手の大きさにもよるが,おおむね7cm前後で十分であり,大きな切開を必要としない.Less inva-Sive surgeryの利点をそのまま残すことができる.
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