特集 甲状腺疾患に対する内視鏡下手術―われわれはこうしている
〔エディトリアル〕甲状腺内視鏡(補助下)手術の現状と展望
清水 一雄
1
1日本医科大学外科学講座(内分泌・心臓血管・呼吸器部門)
pp.263-264
発行日 2008年6月15日
Published Date 2008/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426100188
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
甲状腺疾患の罹患頻度は女性が高く,通常,手術の切開創は常に露出されている前頸部に入る.このため前頸部に手術創を置かない内視鏡(補助下)手術は整容上きわめて有用性がある.この甲状腺内視鏡下手術が1998年に本邦ではじめて行われてから1,2),10年が経過した.この間,甲状腺疾患を扱う施設ではさまざまな工夫と改善を加えながら本術式は進歩してきたが,クリアしなければならない問題点も残されている.
内分泌頸部外科領域における本誌での特集は,2003年8巻3号にて「内視鏡下甲状腺・副甲状腺手術」として一度企画された.そのときのテーマは,施設により異なるさまざまなアプローチ法が中心であった.近年,局在診断技術の向上とともに,副甲状腺腫瘍に対する手術は頸部小切開法による直視下手術が主流となっていることから,今回は副甲状腺を除き,対象臓器を甲状腺に絞り,甲状腺内視鏡(補助下)手術を多数例経験している施設において各種甲状腺疾患に対する独自の術式の工夫,改善点,対象疾患の適応などを中心とした特集を企画した.
Copyright © 2008, JAPAN SOCIETY FOR ENDOSCOPIC SURGERY All rights reserved.