特集 婦人科疾患に対する腹腔鏡下手術における関連科との連携
〔エディトリアル〕関連科との連携から大きな利点を共有するために
伊熊 健一郎
1
1大阪中央病院婦人科
pp.246
発行日 2007年6月15日
Published Date 2007/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426100051
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最近では,種々の婦人科疾患に対しても積極的な腹腔鏡下手術が求められるようになってきた.それにより,新たに手術を導入する施設が増加し術者の育成も図られている.また,手術適応の拡大により,より高度で複雑な手術操作を要する場合や,初めから関連科と連携して行う手術内容も増加している.中でも子宮内膜症は良性疾患でありながら,チョコレート囊腫や深部子宮内膜症や子宮腺筋症などが骨盤内で一塊の状態を呈したり,膀胱や尿管などの尿路系や,直腸や小腸などの腸管系などにも波及した病状を呈する場合もある.そのような複雑な病態の手術に対しては関連科との事前の綿密な連携が大切である.また,突然に出くわす術中の偶発症や合併症,術後の合併症なども起こりやすい環境になってきている.今回の特集では『婦人科疾患に対する腹腔鏡下手術における関連科との連携』を取り上げ,他科と関連する手術内容,合併症などを回避するコツ,対処方法などについて触れていただくことにした.
最初に,腹腔鏡下手術の草分けでもある京都医療センターの杉並洋先生からは,経験が少ない先生方やよりアドバンスな手術を目指される先生方へのメッセージとして,臓器損傷などの合併症を回避する方法と注意点,合併症が発症した場合の対応策,教育システムに言及して下さいました.
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