特集2 ERスタンダード 脳卒中—ココが皆の困りどころ,気になるところ
【Part 1】総論
【コラム1】救急外来でのストロークミミック&カメレオン対応戦略—診断・治療を急ぐべき疾患をいかに見抜くか
坂田 佑輔
1,2
Yusuke SAKATA
1,2
1新潟市民病院 脳卒中科
2新潟市民病院 脳神経内科
pp.682-688
発行日 2024年11月25日
Published Date 2024/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3105200157
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
アルテプラーゼ(rt-PA*1)静注療法や脳血栓回収療法による再開通は,早ければ早いほど良好な転帰が期待できる。そのため脳卒中,特にAIS(急性虚血性脳卒中)診療は“時間勝負”であり,時間的な制約があるなかで診断を行わざるを得ない。
脳卒中が疑われたが最終診断が他疾患であったものを,「ストロークミミック(stroke mimics)」と呼ぶ。また,他疾患を想定したが最終診断が脳卒中であったものを,「ストロークカメレオン(stroke chameleons)」と呼ぶ。stroke mimicsに対する不必要な脳卒中治療を避け,stroke chameleonsに対する脳卒中急性期治療,再発予防治療導入の機会を逸しないためにも,これらの鑑別は重要である。
本稿では誌面の都合上,すべてのstroke mimics/chameleonsの解説はできないため,見逃しや診断の遅れが転帰に直結しうる疾患を中心に解説する。
Copyright © 2024, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.