特集 感染症を病歴と診察だけで診断する!
【System 1 電光石火の感染症Snap Diagnosis】
赤いカメレオン!―多彩な症状に騙されるな
和足 孝之
1
1湘南鎌倉総合病院総合内科
キーワード:
トキシックショック症候群
,
外毒素(J1)
,
月経
,
紅斑
,
黄色ブドウ球菌
,
レンサ球菌
Keyword:
トキシックショック症候群
,
外毒素(J1)
,
月経
,
紅斑
,
黄色ブドウ球菌
,
レンサ球菌
pp.696-699
発行日 2014年8月15日
Published Date 2014/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103297
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Case
患者:31歳,既婚女性.
現病歴:8カ月前にDICを合併した熱源不明の敗血症性ショックにて入院歴のある女性が,突然の39.6℃の発熱,悪寒戦慄,嘔吐を主訴に再度救急搬送された.ERではショックバイタル,軽度膿尿から尿路感染症として内科へコンサルト.しかし,手掌を中心とした全身の紅斑,眼球結膜の充血,筋痛がみられ,採血結果では肝障害を認めた.性活動歴/月経歴を聴取したところ「月経3日目で,タンポンを使用している」ことが判明.さらに追加情報で前回の入院時も月経中でタンポンを使用していたことと,細菌培養では腟培養,尿培養とで今回と同様の黄色ブドウ球菌(MSSA)が検出されていたことが確認された.月経関連性黄色ブドウ球菌性トキシックショック症候群の診断で集学的治療により軽快し,退院となった.
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