特集1 救急医療のリベラルアーツ ドクターカー&ヘリ運用の今を問う
【Part 3】さらに視野を広げる
8.重症呼吸不全患者を搬送するカー運用の秘訣:ECMO transport
藤田 健亮
1,2
Kensuke FUJITA
1,2
1済生会宇都宮病院 救急・集中治療科
2栃木県救命救急センター
pp.60-66
発行日 2023年6月25日
Published Date 2023/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3105200046
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新型コロナウイルス感染症パンデミックで,局所的に医療の需要と供給のバランスが崩れ(かけ)た。こうした状況下では,本来であれば(=供給が需要を十分に上回っているノン・パンデミック下であれば)救い得た患者を失うこともある。そのため,需要-供給バランスが崩れた地域から,医療資源に余裕がある地域に患者を運び,そこで治療を行って救命する—そのような取り組みが全国各地で行われた。
重症患者搬送は,以前から国内いくつかのエキスパート施設で行われていたものの,コロナ禍で一気に脚光を浴びた。そして,重症患者搬送専用車両「通称ECMO car」(後出の図2参照)の全国配備が進み,2023年4月の時点で14台が各地に配備された。本稿では,なぜECMO carが必要か,どのようにECMO carを使用すべきか,その実際の運用方法も含めて紹介する。
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