Medical Scope
母体搬送maternal transportの重要性〔2〕
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.791
発行日 1983年9月25日
Published Date 1983/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206315
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前回は,私たちの北里大学病院のNICUへ収容したベビーの死亡率は,だんぜん院内出生児のほうが院外で生まれて新生児搬送されてきたベビーより低いことをお話ししました。今回はこの内容をもっと詳しく分析してみましょう。
表2は1978年と1979年を境に死亡率の変化をみたものです。1976年から1978年までは院内出生児のNICU収容例からの死亡率は7.28%でしたが,1979年以後はNICUへの収容児が1,178例と非常に多くなっているのに,かえって新生児死亡率は3.48%と約半分に減っています。下の段をみて下さい。北里大学病院のNICUへ収容した院外出生児はこの間で前半期は6,76,後半期は6.59とその死亡率には変化はありません。つまり新生児の予後の改善はなされていないということです。
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