別冊秋号 透析と麻酔
PART3 透析患者の合併症と周術期の対処
29 透析不均衡症候群
小池 美菜子
1
1東京女子医科大学八千代医療センター 腎臓内科
pp.213-215
発行日 2023年9月20日
Published Date 2023/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200381
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透析不均衡症候群dialysis disequilibrium syndrome(DDS)は,血液透析によって血中の溶質が急速に除去されることで,血漿と脳組織の間に浸透圧差が生じ,水が脳組織内に移動することで脳浮腫・頭蓋内圧亢進をきたす病態とされている(図1)。末期腎不全例で血液透析を導入した初期に起こりやすく,症状としては頭痛,悪心などで,これらの症状は可逆性であることが多い。急性腎障害症例や持続的血液透析濾過continuous hemodiafiltration(CHDF)などでも報告があるが,腹膜透析での発症報告はない1)。
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