別冊秋号 透析と麻酔
PART1 透析医療について
5 血液透析の実際
日髙 寿美
1
,
小林 修三
1
1湘南鎌倉総合病院 腎臓病総合医療センター
pp.45-52
発行日 2023年9月20日
Published Date 2023/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200354
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血液透析患者は決して珍しくなく,日本の成人の約350人に1人の割合で存在する1)。慢性透析患者は70%が65歳以上であり,高齢の透析患者ではすでに進行していた動脈硬化がさらに加速度的に進むといわれている2)。
血液透析の透析形態としては,狭義の血液透析hemodialysis(HD)と血液透析濾過hemodiafiltration(HDF)に分けられる。一言で血液透析といっても,透析医は個々の患者に合わせた透析手段を考えて選択している。血管内皮細胞や血小板は異物である透析機器や回路と接するたびに活性化される。透析液の清浄化は非常に重要な問題である。生体適合性はかなり改善されているが,まだ完璧とはいえない。血液透析患者には特有の病態がある。血液透析は多くの患者を同時に治療する特殊な状況を生み出す。何よりも安全対策はしっかりと行う必要がある。
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