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増刊号 腎代替療法のすべて
【第4章 血液透析,血液透析濾過】
12 血液透析濾過療法の実際 ①間欠的血液透析濾過 6)小児の血液透析
Intermittent hemodiafiltration:Hemodialysis in children
中倉 兵庫
1
Nakakura Hyogo
1
1天の川病院血液浄化センター
キーワード:
血液浄化
,
小児
,
ブラッドアクセス
Keyword:
血液浄化
,
小児
,
ブラッドアクセス
pp.290-294
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000446
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はじめに
血液浄化療法が必要となる病態は小児も成人とほぼ同様である。しかし,小児は成人に比して体格が小さいことなど,さまざまな留意点を理解し,治療方法の選択に大きな配慮が必要である。小児において血液浄化療法を考慮する際には,何を目的で血液浄化を行うのか,安全に施行できるのかを見極める必要がある。病態的に体外循環血液浄化療法が第一選択の治療であっても,体格的に,また機器的に安全に施行することができないと判断すればその治療方法を断念し,次の治療方法を選択することも必要であり,たとえ急を要する場合でも慎重に検討しなければならない。さらに,小児は単に体格が小さいだけではなく,常に成長,発達段階にあるということが最も大きな特徴である。成長のためには十分な栄養摂取が必要であり,それに対応した年齢ごとの適切な透析処方が求められる。また,小児の場合は透析療法の選択,処方ばかりでなく,患児自身の心理,社会面での発達も考慮する必要があり,患児に大きくかかわる両親や同胞などの家族,特に母親の存在は重要である。この家族内のキーパーソンに対する配慮も非常に重要であり,母親の過保護,心理的不安が患児の成長発達に影響するとされ,適切な親子関係さらには患児をとりまく家族関係をも指導しなければならない。通常,まず腹膜透析(peritoneal dialysis:PD)で対応可能かどうかを検討し,PDで対応困難な場合や対応不可能な病態であれば,体外循環による血液浄化療法を選択する。本稿では体外循環血液浄化療法を中心に解説する。
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