特集 透析室でかかわるアフェレシス
9.透析患者の包括的高度慢性下肢虚血に対するアフェレシス治療
日髙 寿美
1
,
小林 修三
1
1湘南鎌倉総合病院腎臓病総合医療センター
キーワード:
包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)
,
血管内治療術(EVT)
,
リポソーバー
,
レオカーナ
,
WIfI分類
Keyword:
包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)
,
血管内治療術(EVT)
,
リポソーバー
,
レオカーナ
,
WIfI分類
pp.1643-1649
発行日 2024年12月10日
Published Date 2024/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003240
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透析患者であることはCLTI治療の最大のリスク因子である.吸着型血液浄化器レオカーナの治療対象は,Fontaine Ⅳ度のCLTIのみであるが,LDL-C値の制限がなく,操作が簡便で,特殊な機器を必要としないため,病院だけでなく透析クリニックでも多く施行されるアフェレシスである.透析患者のCLTIで責任病変は下腿以下の動脈の狭窄・閉塞によることが多く,とくに,足関節以下の潰瘍・壊死などは外科的血行再建術や血管内治療術が困難であったり,治療しても不成功であることが多い.さらに,血管内治療術でいったん動脈が開存しても3カ月で73%が再狭窄するという報告がある.このような場合,難治性のCLTIに対してLDLアフェレシスが補助療法として有効である.レオカーナはCLTI患者の末梢血管床を増加させ,下肢救済率と創傷治癒率を向上させる.また,潰瘍治癒まで至らなくても,疼痛が軽減し患者のQOLが改善する症例もある.注意点としては,レオカーナはアンジオテンシン変換酵素阻害薬を服用している患者へは禁忌であり,血圧低下と出血傾向に注意が必要である.
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