別冊秋号 —麻酔科医なら知っておきたい—血栓症・塞栓症
PART2 血栓総論
7 悪性腫瘍と血栓症
田村 雄一
1
1国際医療福祉大学三田病院 肺高血圧症センター
pp.47-52
発行日 2021年9月17日
Published Date 2021/9/17
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200223
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悪性腫瘍は血栓症を引き起こす危険因子の一つであり,静脈血栓塞栓症venous thromboembolism(VTE)の発症を契機に癌が発症することもしばしばある。癌関連血栓症発症のリスクは,①患者因子,②腫瘍関連因子,③治療関連因子,④バイオマーカーの異常の四つに大別することができ,Khorana VTEスコアやVienna VTEスコアなどのスコアリング手法も用いられている。治療関連因子としてはサリドマイドやレナリドミドなどの免疫調節薬と血管内皮増殖因子(VEGF)阻害薬は特にリスクが高い。
本稿では癌関連血栓症の因子や注意点について述べる。
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