増刊号 臨床医のための最新エコー法
エコー法の実践—心エコー法(その他の心疾患)
腫瘍と血栓
渡部 徹也
1
,
永田 正毅
1
1関西労災病院
pp.216-219
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907736
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検査の手順
塞栓症状を認めた場合に心原性を疑い,心エコー検査を行うことはあるが,心腔内に異常エコーを認めていても,無症状であることも多く,ルチンの検査にて偶然に発見されることも多い.異常エコーを認めた場合,基礎疾患(弁膜症,心筋梗塞,心筋症,臨床所見異常)の有無の確認が重要である.血栓の発生しやすい基礎疾患には,僧帽弁狭窄症,心房細動,心筋梗塞,拡張型心筋症,血液凝固異常などがあり,心腔内腫瘍との鑑別の手掛かりとなる.心腔内に異常エコーを認めた場合,主に腫瘍(良性・悪性)と血栓との鑑別が必要になってくるが,異常エコーと間違いやすい正常構造物もあり,それらの鑑別が必要である.腫瘍と紛らわしい正常構造物として,以下のものがある.
(1)eustachian valve:右房内で下大静脈との移行部にみられるvalve状のもの.
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