別冊秋号 —麻酔科医なら知っておきたい—血栓症・塞栓症
PART2 血栓総論
6 深部静脈血栓症の術前スクリーニングと肺血栓塞栓症の診断—周術期患者はDVT高リスク群である
平﨑 裕二
1
1済生会宇都宮病院 麻酔科
pp.41-46
発行日 2021年9月17日
Published Date 2021/9/17
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200222
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日本における静脈血栓症治療に関する全国疫学調査(JAVA)1)によると,深部静脈血栓症deep vein thrombosis(DVT)の危険因子として頻度が高かったのは,①癌(27%),②長期臥床・無動(20.9%),③過去3か月以内の手術(17.8%)であった。一方,ICUに収容された患者を対象とした研究2)では,敗血症や鎮静下の人工呼吸管理,中心静脈カテーテルなどが危険因子として挙げられている。周術期患者やICUで治療中の患者はDVT発症の高リスク群と認識すべきである(表1)。
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