今月の臨床 妊娠初期を診る
初期異常への対応
7.子宮頸部悪性腫瘍
斎藤 馨
1
1聖マリアンナ医科大学産婦人科
pp.1094-1099
発行日 1997年10月10日
Published Date 1997/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903065
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近年,初交年齢の若年化,性行動の変化によって妊婦を含む若年者に子宮頸部の異形成や初期癌が発見される機会が増えている(表1)1,2).
子宮頸癌は妊娠に合併する悪性腫瘍のなかで最も多く,頻度は0.02〜0.09%である.さらに女性の晩婚化,出産年齢の上昇傾向によって,今後妊娠に合併した子宮頸部の異形成と初期癌は増加すると予想される.これらの疾患はすなわち命にかかわることはないが,その治療によって妊娠の存続,胎児の生命や妊孕性の温存が損なわれる可能性があり,一方,患者や夫が挙児あるいは妊孕性の温存を強く希望する場合もあり,慎重かつ適切な対応が望まれる.
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