別冊春号 2021のシェヘラザードたち
第13夜 小児麻酔でMHを疑ったお話—確定は難しく,素因があるかもしれないという説明が大切
向田 圭子
1
1広島県立障害者リハビリテーションセンター 麻酔科
pp.81-86
発行日 2021年4月15日
Published Date 2021/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200203
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大変まれな麻酔合併症である悪性高熱症malignant hyperthermia(MH)についてはご存じでしょう。でも,「TIVAで麻酔するから,大丈夫」とか,「10万例に1例でしょ,麻酔科医の人生,まず経験しないでしょ」とか,思っていませんか。MHの誘発薬物である揮発性吸入麻酔薬(セボフルラン,デスフルラン,イソフルラン)や脱分極性筋弛緩薬(スキサメトニウム)は,現在でも,小児麻酔の導入・維持,修正型電気けいれん療法の麻酔で使用されています。
今夜は,小児麻酔でMHを疑った症例のお話。時代ははるか昔,30年前,セボフルランとイソフルランが発売された頃(症例1)と,その10年後,プロポフォールによる全静脈麻酔(TIVA)が普及した頃(症例2)に私自身が経験した症例のお話です。
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