別冊秋号 周術期管理
PART1 術前の準備
8 精神疾患の内服薬について
奥村 正紀
1,2
,
石井 瑞英
2
,
竹田 美香
1
1大石記念病院 精神科
2昭和大学江東豊洲病院 麻酔科
pp.43-53
発行日 2020年9月15日
Published Date 2020/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200149
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近年,日本での向精神薬処方は増加傾向にある1)。抗うつ薬や抗不安薬,睡眠薬などは,精神科のみならず多くの診療科においても日常的に処方されている。向精神薬は症状によって数種類が併用され,適応病名以外の疾患に対して処方されていることも多い。うつ病ではしばしば抗うつ薬と抗精神病薬が併用され,ベンゾジアゼピン系の抗不安薬,睡眠薬がさまざまな精神・身体疾患で併用されている。そのため,向精神薬を内服している患者の周術期管理においては,適応疾患ごとではなく個々の向精神薬が周術期に与える影響や,周術期に用いる薬物との相互作用について考えなければならない。
手術が予定された時点で精神科と事前に相談できればよいが,手術目的での予定入院時あるいは緊急入院の際に向精神薬の内服がわかることも多い。そこで本稿では,周術期に向精神薬を継続すべきかどうか,また周術期に中止・継続された場合の注意点などについて考察する。
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