別冊春号 2019のシェヘラザードたち
第4夜 痛みだけ診ていればいいわけではない!—交通事故患者の複合性局所疼痛症候群から学んだこと
奥田 健太郎
1
1大分大学医学部 麻酔科学講座
pp.19-23
発行日 2019年4月19日
Published Date 2019/4/19
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200054
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痛みの診療にかかわるようになり十数年が経過した。がんの痛みに特化して診療をしていた時期もあったが,しだいに非がんの痛みにも向き合わないといけなくなった。そんなときに交通事故により複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome : CRPS)となった患者が続けて当院を受診した。筆者はこれまで非がんの痛みのなかでも交通外傷やCRPSにはあまり向き合ってこなかったので,勉強も兼ねて診療を始めた。後遺障害認定に関連する書類作成など,診療以外にも勉強になることが多々あったと思う。また,CRPSは医療現場でも起こり得ることであり,われわれ医療者自身が加害者として裁判にかかわることとなる可能性もあるため,若い医師には是非知っておいていただきたい。
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