特集 運動器慢性疼痛の病態と治療
複合性局所疼痛症候群の病態に対する新たな視点
平田 仁
1
1名古屋大学個別化医療技術開発学講座
キーワード:
複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome;CRPS)
,
神経可塑性(neuroplasticity)
,
全人的治療アプローチ(holistic treatment approach)
Keyword:
複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome;CRPS)
,
神経可塑性(neuroplasticity)
,
全人的治療アプローチ(holistic treatment approach)
pp.776-781
発行日 2022年7月19日
Published Date 2022/7/19
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000001062
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Michellによる最初の報告から160年余りが経過したが,複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome;CRPS)の病態はいまだに解明されておらず,その特異で不自然な経過を根拠に疾患の存在そのものを疑問視する臨床家も少なくない。しかし,神経可塑性という視点からこの疾患を見つめ直すと,不可思議とされる諸症状も十分に説明可能であることが理解できる。本稿では人体が備えるレジリエンスの背景を初めに説明し,そのうえで不適応な神経可塑性誘導という観点からCRPSの病態を再考する。
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