特集 ホスピタリストのための栄養療法
Part 3 入院編:急性期からの栄養療法各論
【コラム⑦】褥瘡の栄養管理—治療に関連する栄養と管理のポイント
石川 環
1
Tamaki ISHIKAWA
1
1東北福祉大学 健康科学部 保健看護学科
pp.748-753
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901195
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褥瘡は圧迫,ずれ・摩擦などの外力によって生じる組織の阻血性障害である。褥瘡ケアには,外力の排除や創傷処置などの局所ケアが必要であるが,栄養管理を合わせて行わなければその効果は期待できない。不十分な栄養は,全身状態を悪化させるとともに組織の耐久性を低下させ,低栄養は創傷治癒を阻害する。褥瘡の多くは栄養障害を有する患者に発症し,褥瘡治療において栄養管理は最優先とすべき治療の1つである。そのため,エビデンスに基づく適切な栄養管理を施行することが重要となる。褥瘡の悪化は,患者のQOLを低下させるにとどまらず,入院の長期化や医療費の増大など医療の質を低下させる。
本稿では,褥瘡と低栄養の関連と,褥瘡の改善に必要な栄養管理について概説する。
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