特集 ホスピタリストのための栄養療法
Part 3 入院編:急性期からの栄養療法各論
【コラム⑥】周術期の栄養療法—消化器がん領域での評価と介入
松井 亮太
1
Ryota MATSUI
1
1がん研有明病院 消化器センター 胃外科
pp.738-746
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901194
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消化器のがん患者に対する治療の根幹は手術療法であるが,術前に重度低栄養が併存する場合は術後合併症が増加し,その発症により長期予後を不良にすることから,手術を遅らせてでも術前栄養療法を行うことが推奨されてきた。しかし,術前栄養療法の対象と投与期間については職種間や施設間で認識が異なり,コンセンサスが得られていないことも多い。また近年は,術前治療として化学療法や化学放射線療法を先行する場合もあり,術前治療による栄養状態の悪化も懸念材料の1つである。よって,化学療法を施行する内科医も栄養状態を評価することが望まれ,外科手術への影響を考慮すべき時代となってきた。
本稿では,これらを背景とした術前栄養評価と介入対象,ならびにその具体的な方法について概説する。
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