特集 ホスピタリストのための栄養療法
Part 3 入院編:急性期からの栄養療法各論
8.重症患者の栄養療法(Critical Care Nutrition)—重症ゆえに考えねばならない急性期栄養療法のtips
中村 謙介
1
Kensuke NAKAMURA
1
1横浜市立大学附属病院 集中治療部
pp.675-682
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901187
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一般の急性期患者と重症患者とで,決定的に異なるのはどのような点であろうか。人工呼吸器管理や鎮静鎮痛管理により経口摂取が困難となることも挙げられるが,最大の違いは臓器不全と炎症が存在することにある。臓器不全は,その臓器の回復のためにより多くのエネルギーやタンパク質を必要とするが,同時に臓器不全ゆえに通常の栄養代謝を困難とするため,平時の栄養療法とは異なる栄養設計を検討しなくてはならない。さらに,重症病態には少なからず炎症が介在することで,不適切な栄養療法が予後にまで影響を与え得ることに注意を要する。
本稿では重症病態に特化し,栄養療法に関連して問題となる点を概説したうえで,急性期栄養療法施行にあたり特別に考えるべき事項を整理したい。
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