今月の主題 白血病—最新の知見と治療の進歩
特殊な治療法
栄養療法—Total Parenteral Nutritionによる栄養管理
伊藤 武善
1,2
1日本大学医学部・第1内科
2日本大学医学部・輸血室
pp.1604-1605
発行日 1985年9月10日
Published Date 1985/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219931
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臨床栄養学の進歩の内で,とりわけ,経静脈栄養(Total Parenteral Nutrition,以下TPN)は,現在,外科系,内科系を問わず,疾患の治療成績を向上させるのに欠くことのできない支持療法である.本号は白血病の特集号であるため,白血病の化学療法時,とくに骨髄移植時のTPNを中心に概略する.骨髄移植患者は移植前に大量の化学療法剤投与,全身放射線照射などにより,また,移植後,血液学的改善が見られても,移植片宿主反応(graft versus host reaction)による大量の下痢や,免疫不全による易感染性のため,約1〜2カ月にわたって,十分量の栄養を経口的に摂取できないこともある.したがって,TPNは骨髄移植時には,欠くことのできない支持療法である.
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