特集 透析診療のすべて
Part 2 透析管理の基本と原則
4.血液透析・腹膜透析患者の管理目標—Part 2で包括的にレビューしておこう
濵田 治
1,2
Osamu HAMADA
1,2
1愛仁会高槻病院 総合内科
2京都大学大学院医学研究科 医療経済学分野
pp.301-308
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901132
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78歳の男性。高血圧症,2型糖尿病,心筋梗塞,末期腎不全の既往があり,維持透析を受けている。数日前からの発熱,呼吸困難で搬送され,肺炎と心不全の診断で入院した。薬手帳を見ると,ACE*1阻害薬,β遮断薬,抗血小板薬,スタチン,インスリンに加え,リン吸着薬,ビタミンD製剤,鉄剤,緩下剤,睡眠導入薬,皮膚保湿剤など多数の薬を使用していることがわかった…
さて,このような症例,あなたの医療機関ではどの診療科が診療を担当するだろうか。病院の文化・方針もあるとは思うが,内科担当医と透析医が協働して管理を行うかもしれない。いざ透析患者を担当するとなると,担当医はその診療が複雑であることに気づくだろう。内科担当医は主病態や基礎疾患の管理だけでなく,尿毒症による症状や透析に関連した項目を透析医と協働して管理していく必要がある。
Part 2ではこうした項目を包括的にレビューできるよう構成しているが,保存期CKDから透析導入後の管理における差異も含め,この視点で俯瞰し概説する。
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