特集 コマネジメント
Part 2 コマネジメントの“枝”
11.周術期VTE予防—外科領域では内科領域と異なる点も多い
鈴木 康大
1
,
安部 涼平
1
Kodai SUZUKI
1
,
Ryohei ABE
1
1埼玉医科大学病院 血液内科
pp.155-163
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901110
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整形外科手術や一般・消化器外科における開腹手術において,静脈血栓塞栓症(VTE*1)は重要な合併症の1つである。VTEのなかでも肺血栓塞栓症(PTE*2)は周術期の死因として頻度が高く,発症を防ぐために適切な予防を行えるかどうかが鍵となる。日本でも,2004年の複数学会合同での予防ガイドラインの発表や,診療報酬改定における「肺血栓塞栓症予防管理料」の保険収載により,周術期VTE予防の重要性が認知されてきたが,依然として不十分な管理による致死的なVTEの発症が散見される。内科医が診療チームに加わることで,適切な予防介入が多く行われるようになることが望まれる。
本稿では,整形外科手術や腹部手術症例の,コマネジメントにおけるVTE予防について概説する。
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