特集 コマネジメント
Part 2 コマネジメントの“枝”
【コラム④】—コマネジメントをする内科医に知ってほしい—周術期のデバイス管理:ペースメーカ,ICDなど—電磁干渉について把握し,デバイスごとの対応法を学ぼう
松井 優子
1
Yuko MATSUI
1
1横浜医療センター 循環器内科
pp.132-141
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901107
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心臓植込み型デバイスはペースメーカ,植込み型除細動器(ICD*1),両心室ペースメーカ(CRTP*2),両心室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRTD*3)など多岐にわたり(表1),適応の拡大や高齢化のためにその植え込み症例数は増加している。日本では2022年時点で,ペースメーカ69,221例,ICD 6,440例,CRTP 1,815例,CRTD 3,748例の植え込みが実施されており1,2),症例数の増加に伴い,非循環器疾患の診察中にもデバイス植え込み患者に接する機会は増えている。
デバイス植え込み患者は原則的に数か月〜1年おきの循環器外来,または遠隔モニタリングによるフォローが行われており,非心疾患の診療はデバイスの存在を意識せずとも問題なく進むことが多い。しかし,電磁干渉が発生する処置・手術を行う際には,デバイスの誤作動や故障のリスクがあるため注意が必要である。
本稿では,電磁干渉が発生する処置・手術の種類,起こり得る影響について述べ,術中の手技内容の工夫による予防,患者のデバイス手術や心疾患に応じた周術期のデバイス設定の適切な変更についてまとめる。
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