特集 コマネジメント
Part 2 コマネジメントの“枝”
【コラム⑦】—コマネジメントをする内科医に知ってほしい—術後の退院先—患者は不安のカタマリ:個々の患者に合わせた介入を
若井 博之
1
,
松本 朋弘
2
Hiroyuki WAKAI
1
,
Tomohiro MATSUMOTO
2
1練馬光が丘病院 地域連携相談センター
2練馬光が丘病院 総合救急診療科 総合診療部門
pp.200-205
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901116
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医療ソーシャルワーカーは,患者,家族の問題(不安)について,患者,家族とともに解決をはかる役割を担っている。ソーシャルワーカーという立場から,医師に知ってもらいたいことは,当然のことと思われるかもしれないが,突然の病気や怪我により患者,家族は不安な状態にあるということである。医師から説明を受けることにより一時的に不安が和らぐことが多いものの,その内容を断片的にしか覚えていないこともある。
入院した患者からこんな話をよく耳にする。「少し具合が悪いから受診した。検査の結果をみたら,急に入院が必要と言われた。だから入院した」。あるいは「数日前に転倒してしまったのだけれど,痛みがひかないから受診した。レントゲンをとってもらったら骨折していたと先生から言われた」。おそらくどちらのケースも,患者自身もなんとなく具合が悪いと自覚していたかもしれない。ただ,実際の診断を聞かされた途端に,患者,家族は当然不安になる。どんな病気なのだろう,今後どうなってしまうのか,病気を治療してもどこまで改善するのか,同じ生活が送れるのか…。ベッド上で過ごす時間がほとんどの入院生活では,患者は不安を膨らますばかりである(表1)。退院先を検討する前に,そのことをまず肝に銘じておきたい。
本稿では,退院先の特徴,ならびに個々の患者に合わせた介入について述べる。
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