Japanese
English
特集 循環器疾患のリスク管理
ペースメーカ・ICDに伴うリスク管理
Risk-management in Pacemaker and ICD Implantation
大森 裕也
1
,
新田 隆
1
Hiroya Ohmori
1
,
Takashi Nitta
1
1日本医科大学心臓血管外科
1Department of Cardiovascular Surgery, Nippon Medical School
pp.159-164
発行日 2008年2月15日
Published Date 2008/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100978
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はじめに
洞機能不全や高度房室ブロックに代表される徐脈性不整脈に対して,ペースメーカの植込みは有効かつ確実な治療法として確立されている.また,植込み型除細動器(implantable cardioverter defibrillator;ICD)は,1982年にMirowskiが最初に臨床応用して以来,致死性心室性不整脈による心臓突然死の有効な予防法として広く普及するに至った.さらに最近では心室内伝導遅延を伴う重症心不全患者に対する心臓再同期療法(cardiac resynchronization therapy;CRT)や,CRTにICD機能を備えた機種(cardiac resynchronization therapy-defibrillator;CRT-D)の植込みが増加している.しかし,デバイスが高度で複雑な電気医療機器であるうえに,植込みの対象となる患者が致死性不整脈患者や重症心疾患患者であることから,植込み術中術後に様々な合併症が発生する可能性があり,これらの合併症を早期に発見し適切な処置を施すことが重要である.
本稿では,ペースメーカ・ICD植込み術後に発生しうる合併症をあらゆる角度から検討し,その対処について述べる.
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