特集 コマネジメント
Part 2 コマネジメントの“枝”
7.術前心評価—非心臓手術における実践的な評価のステップとエビデンス
杉崎 陽一郎
1
Yoichiro SUGIZAKI
1
1Cardiovascular Research Foundation/Columbia University Irving Medical Center
pp.81-94
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901103
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日本において,術前心評価は依然として「コンサルテーション」であることが多い。筆者自身も手術前に「術前の心評価をお願いします」という依頼を受け,対応することが多かったので,他施設の多くの場面でも同様ではないかと思う。一方で,心不全パンデミックや高齢化に伴い,手術を要する患者が心不全や冠動脈疾患,大動脈弁狭窄症(AS)などの併存疾患を有する頻度は増えている。そのため「コンサルテーション」ではなく,本特集のテーマである「コマネジメント」が重要になる場面も増えている。そのような理由から,術前心評価は「どのような対象に」「どのように行われ」,「どのような介入を行う/介入は必要ない」と判断するかについて,コマネジメントの主体となるホスピタリストやジェネラリストが,循環器内科医と共通言語をもち,ともに実践していくことが重要である。
とかく術前検査では,「評価のために」と検査過剰になることが多い。冠動脈疾患があるから,ASがあるからと,検査過剰になってはいないだろうか?
このこともふまえ,本稿では非心臓手術における心臓リスク評価について,最新の国内/海外のガイドライン1〜4)を紐解きつつ,実践的な観点から解説する。
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