特集 感染症3
Part 5 検査編
18.rapid diagnostic test(迅速診断検査)を理解する—核酸増幅検査と従来検査法の両方を使いこなす
上原 由紀
1
Yuki UEHARA
1
1藤田医科大学医学部 感染症科
pp.695-701
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901078
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により,突如“PCR*1”という語が一般にも広く知られるようになり,微生物検査の領域では,PCRに代表される核酸増幅検査nucleic acid amplification test(NAAT)が急速に普及することになった。さらにCOVID-19に対する抗原定性検査の自己検査も認められ,感染症の迅速診断は医療機関外へも広がりをみせている。
本稿のテーマであるrapid diagnostic test(RDT)には,「何分で結果が得られればRDTとする」といった明確な定義はないが,患者のベッドサイドでpoint-of-care testing(POCT)として使用できるイムノクロマト法による迅速抗原定性検査のほか,最近では核酸増幅検査により直接検体から特異性の高い結果が得られる検査法も,RDTとして使われるようになっている。米国疾病管理予防センター(CDC)が述べている,輸入感染症に対するRDTの考え方が参考になる1)。
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