35号「身体診察」Special Article
身体診察と「車の両輪」の病歴聴取—問診力も「型」にして習得!
北野 夕佳
1
Yuka KITANO
1
1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 救命救急センター
pp.347-356
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901031
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病歴聴取は臨床判断において必要不可欠な要素である。初診における病歴聴取のみで約70〜80%が最終診断と同一の鑑別診断に至ったというデータもある。いかに血液検査や画像診断が進もうとも,病歴聴取のスキルは臨床家であるうえで必要不可欠であり,習得すべきスキルである。同時に,系統立ったアプローチをすれば誰にでも習得できるスキルであることも強調したい。
また,各種スコアリングやAIが発達しても,その項目を正しく入力するためには病歴(+身体所見)が必要不可欠である。具体例を1つ挙げると,急性冠症候群で用いるTIMI calculatorの項目の1つとして“severe anginal episode in the last 24 hrs”「この24時間以内に強い狭心痛(anginal pain)があったか」がある。「狭心痛」であったのかの判断には,以下に示していくような胸痛の問診が必要不可欠である。
H & P(History and Physical)という意味で,身体診察と病歴聴取はまさに車の両輪。本稿で示すアプローチを繰り返せば,誰でもできるようになる! 筆者のパールを交えて解説したい*1。
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