特集 不整脈2—心室性不整脈,徐脈性不整脈
【コラム⑨】新しいデバイス:リードレスペースメーカ,皮下植込み型除細動器(S-ICD)—エビデンスと適応および今後
矢崎 義直
1
Yoshinao YAZAKI
1
1東京医科大学 不整脈センター
pp.866-871
発行日 2022年5月6日
Published Date 2022/5/6
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900980
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近年,不整脈治療の進展はめざましい。特に心臓デバイス機器の進展は,患者だけでなく我々の診療にも多くの恩恵を与えてくれた。心臓デバイスは心腔内に留置するものが基本であり,恒久的ペースメーカや植込み型除細動器がそれにあたる。
それぞれが徐脈性不整脈や頻脈性不整脈に対して不可欠ではあるが,デバイスを心内に留置する際に血管や心臓の損傷などの機械的合併症や,デバイス感染などの合併症が少なからず起こってしまう。近年,デバイスの小型化により合併症の発生率は低下傾向にはあるが,劇的な改善が得られたわけではない。そこで,この問題を解決すべく新たなデバイスの改革が行われた。
本稿では,リードと本体が一体化し超小型化したリードレスペースメーカ,およびリードを心腔内ではなく皮下に植え込む完全皮下植込み型除細動器(S-ICD)の2つの新デバイスについて解説する。
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