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連載 人工臓器の最前線・vol.7
リードレスペースメーカの最前線
Current state of leadless pacemakers
近藤 祐介
1
Yusuke KONDO
1
1千葉大学大学院医学研究院循環器内科学
キーワード:
Micra TPS
,
適応基準
,
VDDモード
Keyword:
Micra TPS
,
適応基準
,
VDDモード
pp.1093-1097
発行日 2022年9月17日
Published Date 2022/9/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu282121093
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□経静脈アプローチでの恒久的ペースメーカ植込み術は,有用性と安全性の両面からすでに確立した治療として,世界中で広く行われている.しかし,ジェネレーター植込み部のポケット感染を含むデバイス感染後の症例や,経静脈でのアクセスに制限がある透析中の症例,複雑な解剖を有する先天性心疾患の症例や三尖弁術後の症例などでは,経静脈アプローチには限界があることも知られている1,2).そこで,リードがなく電池が本体に内蔵された一体型であるカプセルを直接心臓に植え込むタイプのペースメーカ,いわゆる “リードレスペースメーカ” の開発が長らく待たれていた.
□2017年より従来の経静脈アプローチのペースメーカが抱えていた合併症や生活制限などの課題を軽減した,患者満足度の高い新たなペースメーカがわが国においても使用できるようになり,新たな時代の扉が開かれた.2022年1月1日時点でリードレスペースメーカの植込み開始施設は約600施設であり,手術件数は15,041例を超えた(日本メドトロニック株式会社調べ).本稿では,わが国において普及しつつあるリードレスペースメーカの現状,問題点および今後の展望について概説する.
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