特集 不整脈1—上室性不整脈
【コラム②】心房細動:アブレーションに関して知っておくべきこと—総合内科医が遭遇し得る術後の合併症
林 健太郎
1
Kentaro HAYASHI
1
1上尾中央総合病院 循環器内科
pp.548-552
発行日 2022年2月24日
Published Date 2022/2/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900936
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心房細動に対するカテーテルアブレーションは,適切な適応で施行すればQOLの改善はもとより,心機能の改善1)や心不全入院減少2),死亡を含む重大イベント減少効果3)が大規模研究でも示されており,現在日本では年間7万例のカテーテルアブレーション治療が心房細動に対して施行されている。心房細動のカテーテルアブレーションは他のアブレーション治療と比較して,心房に対して多数回の通電を施行する,多様なアブレーションデバイスがさまざまな方法で用いられている,周辺心外臓器が多い,といったことから,合併症の種類も多岐にわたり,見逃すことで重篤な転帰に至る可能性がある疾患も含まれる。一方で,その発症機序と解剖学的な理解があれば鑑別疾患として想起しやすいものが多い。
本稿では,総合内科医に知っておいてもらいたい心房細動に対するカテーテルアブレーションの基本的な手技と,合併症が起こる機序および対処方法,そして救急外来や内科外来を受診したアブレーション術後患者で念頭におくべき鑑別疾患を,主な主訴別に概説する。
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